
5月8日は、毒生姜が広東省広州市でも見つかり、すでに4000トンの生姜が処分されました。広東料理も生姜をよく使うのでショックな話です。
今回生姜で問題となった農薬は中国語では「神农丹(涕灭威)」です。日本語ではアルジカルブといいます。アルジカルブに関しての詳しい情報は、日本の厚生労働省食品安全委員会が農薬評価書を出しています。( http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001yuem-att/2r9852000001yukw.pdf )
中国の基準では、アルジカルブの最大残留量は0.03mg/kgですが、広州での検査で見つかったサンプルでは、0.097mg/kgと0.034mg/kgでした。ちなみに、深センでも一部で毒生姜が見つかっていて、山東省産の生姜への検査が強化されたということです。
そもそも、中国では国土が広いので、各地から農作物が上海へ輸送されています。例えば、上海崇明島のカリフラワーも北方へ出荷されているのですが、やはり輸送距離や時間がかかると、当然鮮度が落ちるわけで、そのために小細工も必要となります。あたりまえですが、できるだけ地元産で、旬の野菜を食べるようにするのが、食の安全に欠かせない対策だと思います。毒生姜事件以降、広州でも地元の生姜が売れるようになったとか。
安全な野菜を食べるためには、やはり五感を働かせるしかないのが現状。よく、虫食いの野菜が安全だとかいいますが、これも決してそうだと断言できません。農薬を散布する時期がずれたりすると、虫が成長してしまい農薬の効果が低下してしまいます。逆に、虫に食べられた野菜をみて、さらに農薬を散布してしまう可能性もあります。
また、農薬は我々人間や昆虫に害を与えるだけで無く、野菜そのものにも影響がでるものです。これは、有機栽培をしているか、いい水をつかって栽培しているかで違いが出てくるのと同様、野菜そのものの味・食感にも十分注意して識別する必要があります。
しかし、十何億人もの人民達を中国は養っていかなくてはいけません。すべて無農薬・有機栽培で供給するなんて到底無理な話です。そのバランスをどこにもってくるかが、今後ますます必要とされるでしょう。

気にしてもキリが無いので、我が家では家庭菜園をしていますが、青梗菜なんかは意外とはやく大きくなりますよ。

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