
山に行く!といったら、娘の従兄弟の子供も行きたいと言うから、じゃあみんなで行こうということになり、私が運転手となって浙江省へドライブに行きました。
浙江省安吉からさらに、西にクルマを走らせ、章村鎮という小さな街に出て来ますが、ここが竜王山と呼ばれるあの上海の黄浦江源流の山になります。ここまでは、前回のドライブで訪れました。(くわしくはこちらから) 実は、この黄浦江源流探しの学術的研究は、かつてうちの妻の兄が関わっていて、エリアの自然環境の素晴らしさをよく耳にしていました。彼はその当時、山に籠もって仕事をしていたのを覚えています。


その章村鎮から、各方面に山間を縫うように細い道がグネグネと走っているのですが、その一つに高山村という村があります。たまたま訪れた村でしたが、江南エリアの里山の趣を残していて、とってもいい感じでした。
里山といえば、日本の里山も確かに美しい。ただ、残念ながら高齢者が増えてきて、その管理が難しくなってきており、なかなか里山ぐらしの原形を体験するチャンスは減ってきたように思います。
しかし、中国江南エリアにはまだ里山暮らしが残っています。人々が脈脈と残してきた山奥深い里山は、いまでも観光地とならずに守られているように思います。そして、そんな地元に人たちのふれあいを楽しむことができました。とってもいい人ばかりで、みんなでスイカをほおばりながら、李さんのお庭からみる雄大な山の風景を堪能しました。


この日、安吉エリアは中国全国で3番目に温度が高く、40℃を超えていたのですが、山の中ではいやな熱風がなく、とっても快適に過ごせてました。緑の力は絶大です。
逆に、今年は猛暑のため、蚊に悩まされないということでした。確かに、ハイキング中はもちろんのこと、夜中窓を開けっ放しにして寝ても全然蚊に襲われなかったのは不思議でした。

宿泊施設ですが、最近は江南エリアの山間部でも設備がそこそこ整った「農家楽」が出来ていきています。「農家楽」は、日本でいえば民宿のことで、1泊1部屋100元〜150元程度とかなりお手頃です。なによりも、老板(女将)がとってもフレンドリーだったりして、中国語が問題なければ、すごく楽しく過ごせます。

今回宿泊した宿も、たまたま前を通りかかったときに見つけたところでした。農家楽を利用するときは、シャワー用のスリッパ、いつも使っているシャンプー類や歯ブラシ、タオルにトイレットペーパーを持っていくことをお薦めします。とくに、トイレットペーパーは、中国の田舎にいくとまだわら半紙のような紙質なので、馴れていなかった結構キツイと思います。


食事は、もちろんその場でリクエストできます。大抵は、自分のところで栽培している野菜や家禽類を出してくれますので、味もなかなかです。郷土食たっぷりの食材が楽しみで、とってもヘルシーです。

(キュウリがとれすぎて、乾しているのだそうです)
こういう楽しみは、中国の大都会ではなかなか難しい。おそらく、日本でもなかなか体験できない里山の旅だと思います。人情味あふれる旅の魅力が一杯詰まっていました。
以前の私は、中国の田舎の旅に、日本的な懐かしさを求めていたことがありました。なにか心がホッとするような癒やし探しがあったのですが、最近では中国の里山ならではの楽しみを掘り出すことに関心を持つようになっています。日本とはまったく違う文化にいるということを実感し、それに感動できると、多少の旅の不便でも全然問題ならないような感じがしました。
