
娘は、スモッグでサンタクロースが無事に上海に来られるかどうか心配しております。それぐらい、上海の大気汚染の状況は大きく変動します。
さて、上海市内で最も大気汚染がマシなエリアはどこか?
大体想像がつくかと思いますが、やはり長江河口に浮かぶ崇明島エリアです。これまでは、街の中心部と比較する意味で市郊外青浦区の淀山湖が空気環境の良い場所として選ばれていましたが、いまでは逆に汚染のよくない場所に入ってしまっています。

上海市の環境部門によると、近年3年間の崇明島のPM2.5平均値は35㎍/㎥で、上海市内ではもっとも空気が綺麗なところということになっています。(ただ、これでも日本の環境基準である1年平均15㎍/㎥かつ1日平均35㎍/㎥以下をクリアできていません。)
崇明島のなかでも西側は高めで、やはり東灘エリアまで行かないといけません。東灘には巨大な東灘湿地公園(入場料:平日50元)があり、さらに国の鳥保護地区もあります。上海市も整備に力をいれていて、今後路線バスに電気バスを導入するなど島の生態管理に力を入れるみたいです。

東灘のような湿地帯では、水蒸気が発生しやすく、そこにスモッグが吸収され、また植物の葉っぱなどにも吸着されるようです。最近、大気汚染の悪化により上海では観葉植物に人気が集まっていて、生産が追いつかないという話しも浦東孫橋の植木市場で聞きました。

崇明島までは上海浦東からはクルマで1時間程度。我が家では新鮮な野菜を買いに時々出かけます。上海科技館から路線バスも運転されていますが、野菜を買いに行くときは朝7時までに市場に着かないといい農作物はありません。


そもそも崇明島といえば、湿地帯以外でも野鳥観察で有名です。私の中医クリニックの患者さんでも、定期的に観察に行かれている方もちらほらおられるぐらいです。
崇明島が野鳥保護区に指定されたのが1998年11月。2005年7月には国の自然保護区に指定され、2006年には中国全国51箇所しかない国の自然保護示範地区にも指定されています。湿地帯には400種類の鳥類と250種類の魚類が生息していて、290種類の珍しい鳥類も確認されています。
平日の崇明島は人も殆どおらず、とても静かな様相です。皆さんもぜひ訪れてみてください。

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