2014年05月16日

行列のできる地元上海料理の小食堂「茂隆」

 上海で行列ができる店というのは決して珍しくありません。人口が2400万人もいるのに、本当に美味しいと思えるお店はそう多くないから、潜在的に足りていないのです。だけど、地元上海料理にこだわっているお店は貴重だと思います。

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 今回は淮海路にあるガーデンホテルから北にちょっとあがったところにあるお店「茂隆」(進賢路134号)に行ってきました。

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 この進賢路エリアはちょっと面白くて、近くには「蘭心廰餐」というこれも上海料理の有名な食堂があるのですが同様に満員状態。15人も店のなかに入ったら満員になってしまうので、客は食べたらすぐに出て行くしかない。この回転率のはやさは、「慢慢吃(ゆっくり食べていって)」というイメージのある中国の食文化では結構特異なのかもしれません。

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 この「茂隆」では、上海人の女性老板が切り盛りしています。このおばちゃんが結構有名で、見た感じものすごく無愛想で怖そうなのですが、実はとってもフレンドリー。注文するときも、今日のお薦めなんかも教えてくれる。だからこそ味へのこだわり感じないわけにはいきません。予約をしていても待たされるお店だけど、それでもお客はやってくる。そして、老板の一言で客もバシッと言うことを聞く。なんか、とってもかっこいい上海人女性でした。

 我々も行列に紛れて1時間ほど待って入店。店の中は本当に狭く、後ろの人とイスがぶつかるぐらい。料理を注文するバリエーションを増やしたいのなら、やはり4人ぐらいで行くのが妥当だと思います。

 上海料理の特徴は、やはり醤油ベースの甘系。ただ、これも注文のコツがあって、すべての料理が甘いわけではありません。


 ここの醤鴨は絶品でした。冷菜にぜひ食べていただきたい。またクラゲもよく冷菜に選ばれます。
 そして上海人のお袋の味といえば、紅焼肉。店によって、家庭によってそれぞれ味が違ったりします。その違いを楽しむのもいいですよね。

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 鯧と酒粕を旨く組み合わせた一品は良かった。ちょっと辛みがあるのですが、どちらかと言えば甘辛い感じ。

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 油爆蝦も上海料理では欠かせませんよね。皮のカリカリ感と味のジューシー差がポイントです。

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 野菜は、この時期によく食べる草頭(クローバー)とタケノコ。タケノコのシャキシャキ感はこの季節ならでは。

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 そして、〆は鶏スープ。

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 上海料理の特徴はなによりもシンプル!素材の味をどう活かすかがポイントになります。

 上海の街はいまやすっかりグルメになっています。メニューもカラー写真が豊富になり、日本語すら書かれていることもよくあります。しかし、こうしたこだわりの店(食堂)がすっかり減ってきました。例えば、一つのメニューに上海料理や広東料理、さらに四川料理まで並ぶようになると、私はもう幻滅です。かりに上海料理であったとしても、上海人が料理を作らなければ、味を守ることは難しい。
 こうやってグルメな街になってきたからこそ、上海人もいま改めて上海料理の原点を目指しているようにも思います。決して豪華である必要はなく、シンプルだけど正統な料理を提供してくれるお店への注目度が高まっているのです。

 私の上海料理追求の食べ歩きはこれからも続きます。嫁さんに旨い上海料理を作ってもらうためにも。


【データ】茂隆(進賢路134号) 直接店先にいって並んで待った方がよいと思います。


おしらせ


posted by 藤田 康介 at 08:16| Comment(0) | 中国で食べる
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