上海エリアはもともと天然温泉がほとんど皆無に等しいのと、地下水のくみ上げ規制でそう簡単に温泉施設をつくることができません。よって、天然温泉を楽しもうと思ったら、浙江省か江蘇省,安徽省に行くことになります。今回、調べ物をしていてたまたま見つけたのが、この宿泊施設つきの金鳳凰温泉度假村温泉でした。

そもそも、中国の温泉施設といえば、水着着用の巨大プールタイプが多く、源泉掛け流しのお風呂に入れることはなかなかないのですが、温泉研究家の私としては、やはり源泉に素っ裸で、静かに入りたいところ。だとすると、客室内に浴槽があれば一番なのですが、なかなかそういう施設には巡り会えません。ところが、今回はありました!なかなかの満足度の高い温泉施設でした。

源泉温度は52℃。湧出量は1日約1200立方メートル。成分はナトリウム炭酸水素塩泉。日本の会社の温泉分析表もロビーに展示してあって、炭酸水素ナトリウムの濃度は655.3mg/lということなので、日本の基準からいっても、ナトリウム炭酸水素塩泉といっても問題ないと思います。研究機関の温泉分析表を提示している温泉は、中国では非常に珍しい。しかも、日本の研究機関の数字がでているのにもびっくりしました。


部屋にはいくつかのランクがあるのですが、お勧めは「湯屋」です。値段もお手頃で、1部屋が朝食2人分がついて700元代。2人で宿泊しても1人で宿泊しても値段は同じです。うちは3人家族なので、ベッドを足さない限りはこれも同じ値段です。広々とした部屋に、なによりも巨大な浴槽が魅力的。大人3人はゆっくり浸かることができます。もちろん、シャワーは別で、大きな洗い場もありました。この辺は、日本式を意識しているのでしょうね。
この部屋に浴槽があるというのは大きい。もちろん、屋外SPAもあるのですが、そういうのはどこにいってもそう変わらないので今回はパスして、部屋の温泉を楽しみました。中国の場合、まず朝風呂に入る習慣がないので、温泉地に朝にいってもお風呂に入れない。その点、部屋にあれば自由に入れます。以前、広東省開平で入った
赤水温泉も部屋に温泉を引いていました。やはりこの形式が一番うれしい。

さて、バスタブに源泉と熱水、冷水と3種類の蛇口を設置。つまり、源泉だけでもお風呂に入れるのですが、さすがに加熱していない源泉はぬるすぎました。でも、源泉を大切に使うという観点から、この蛇口方式もいいのではないかと。ただ、入るときにお湯を溜めるのに時間が多少かかります。ぬるい分は、お湯を足せばちょうど良い温度になります。

お風呂上がりは、かなりボリューム感のあるマッサージチェアも完備。私はあまり好きではないのですが、気持ちよさそうな感じがしました。(^_^)
お湯の感触は、肌触りが柔らかい感じがします。ナトリウム炭酸水素泉の特徴でもあるのですが、温熱効果の持続性はすばらしい。半日ぐらいは十分に体がぽかぽかしました。優しいイメージのお湯ですので、ゆっくりとリラックスするのにはいいかと思います。
ただ、何故かはわからないのですが、客室と浴室の間にドアがない。大きな窓があるので、換気はいいし、見晴らしも最高なのですが、部屋が湿気っぽくなってしまうのはちょっと残念でした。
朝食は、別棟のレストランでビュッフエスタイル。中華料理がベースですが、野菜類が豊富で良かったです。
アクセスですが、鉄道では行きにくいです。しかし、高速道路のすぐ近くに位置するのでクルマでは便利。上海からだと混んでいなければG15からS38とつなぐと、1時間40分ぐらいでいけます。S38の鳳凰ICからだと、15分ぐらいで到着しました。iPhoneのMAPにも正しく掲載されていましたので、スマホのナビでも大丈夫です。
部屋のドアの問題以外は、満足度はかなり高かったです。妻の親戚もこのあたりに多いので、お墓参りのついでに温泉に入る楽しみができました!
【データ】金鳳凰温泉度假村温泉
HP:
http://www.phenix-spa.com:81/
posted by 藤田 康介 at 00:00|
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中国の温泉