2014年05月19日

急に簡素化された中国の車検制度

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 私も2013年に自分のクルマの車検に行っています。
 詳しいことは、こちらをごらんください。

 従来はクルマを買って6年以内なら2年に1回、車検場にまでクルマを運転し、長い行列に並んで検査を受けるのですが、この制度が2014年9月1日より6年以内であれば、検査を受ける必要がなくなりました。ただ、事故をおこした場合は検査を受けなければいけませんが、無違反(違反した場合は罰金などの処理済み)であり、毎年加入する強制保険と車船税の証明を提出すると、車に貼る検査シールを直接もらえることになります。ただ、購入して6年以降は毎年検査を受けます。

 車検制度を6年に1回に変えて大丈夫なのか?という心配の声も聞かれますが、そもそも今の制度でも問題を十分に発見できていないのも事実です。車の台数が2003年の2421台から2013年の1.37億台と5.6倍に急増しており、そのわりには車検場がすくなく、車検を受けるための時間的ロスがとても大きかったのです。また、地方ナンバーのままで上海でクルマを運転している場合、車検をうけるためにわざわざ地元に戻る必要がありました。一方で、仮にクルマに問題があっても、検査人に数百元のワイロを渡したり、「黄牛」と呼ばれるブローカーにお金を払うと簡単に通ってしまうのも問題でした。私が思うに、基本的に中国では制度がはじまってある程度年数が経つと、殆どの場合で抜け道を作ってしまいます。
 制度そのものの不備かも知れませんが、だからこそこうやって急に制度を変えてしまうことも多いのです。結局、従来の制度があまり機能していなかったのも事実なのです。

 ただ、6年に1回の検査では、今後違法改造車が増えてくるのではないかと思われます。また、定期的にディーラーで検査を受けているのならいいのですが、まったく整備されていないクルマに乗る人が増えるのではないかというのも心配ですね。そうでなくても渋滞する上海で、故障車による渋滞はたまったものではありません。実際に、上海の街角でも明らかに違法と思えるような改造車をよく見かけます。

 そもそも、ルーチン化してしまった仕事を、きっちりとこなすというのは今の中国ではとても苦手ですからね。すぐに腐敗してしまう。。。

おしらせ


posted by 藤田 康介 at 06:40| Comment(0) | 中医学・漢方

2014年03月18日

広州の赤ちゃんポストの結末

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 先日、広東省広州で赤ちゃんポストが試験的にできたことをブログでも紹介しましたが、結局赤ちゃんポストで保護される子供の数が予想をはるかに超えてしまったため、1ヶ月半程度で閉鎖されてしまいました。

 広州の『羊城晩報』の報道では、2014年1月28日〜3月16日までに保護された子供の数は男子148人、女子114人で合計262人。内訳は、1歳以下が175人で全体の67%を占めています。疾患別には、脳性麻痺が110例、ダウン症候群が39例、先天性心臓病が32例、その他の疾患が81例となっていました。また、保護された子供の生存率は91%で、子供の命を守るという視点では、その役割を果たすことができたと評価されています。

 ところで、この赤ちゃんポストを設置した広州市社会児童福利院はすでにベッド数がいっぱいで、2004年以降保護されている子供の数は1000人を越えているらしい。2014年現在、子供たちの総数は2395人にのぼり、このうち院内で保護されている子供の数は1121人、院外の家庭で保護されている子供は1274人で施設の収容能力限界に達しているということです。これに、今回の赤ちゃんポストの件でさらに数が増えてしまい、一つのベッドに2人の赤ちゃんを寝かしつけるような状態にもなっていると報道されています。過密になってくると、伝染病も心配です。

 中国では、子供に対しての福利厚生をどうするかという問題がまだまだ解決されていません。とくに、身体に障害を持った場合、また難病や重病にかかった場合の経済的なサポートがまだまだ足りないのが現実です。こういった問題点は、行政も分かっていて、メディアにもたびたび登場するテーマではありますが、なかなか抜本的な解決には繋がっていないようです。

 今回の広州の件では、開始直後は監視カメラだけが設置されていました。その後、係員も配置し、もし赤ちゃんポストに預ける親が来たら、特に1歳以上の子供を預けようとした場合、声をかけるようにしたそうです。さらに、部屋の壁には「赤ちゃんを捨てることは犯罪であり、倫理に反し、子供を傷つけ、一生後悔する」という言葉も付け足されました。

 今後、福利院では従来通りに公安で保護された子供しか受け付けない方針のようです。しかし上海の街でも大人に連れられて物ごいする幼児をみると、どうにかならないものかと考えてしまいます。あまりにも「え!」と思うことが多すぎるのです。

 2395人という数字は広州市だけです。中国全土だといったいどれだけの数字になるのか、想像もつきません。こうした子供たちの増加は、教育問題だけでなく社会の安定にも大きな影響を及ぼすことでしょう。もっと真剣に考えなければいけません。

posted by 藤田 康介 at 08:40| Comment(0) | 中医学・漢方

2013年07月03日

大学の同級生との再会

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 昨日は、上海で38℃を記録。いよいよ夏本番ですね。上海のローカル系の小中学生は7月1日から夏休みのところが多く、結構子供たちを街中で見かけるようになりました。ただ、子供の遊び場所が少ないのが上海の悩み。また、共働きが多い上海なので、夏休みのない幼稚園や、夏休み期間中の様々な講座が充実しています。ショッピングモールには、有料で子供たちが遊ぶスペースがあったりしますが、ここも祖父母につれられた子供たちで賑わっていました。空調もついているし、涼しいと言えば涼しいですからね。

 さて、久しぶりに上海中医薬大学時代の友達と再会。上海に来たついでに、お兄さんとうちの会社に遊びに来てくれました。

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 彼の家は、代々中医学の家系で、いまは浙江省で家業の中医学をついでいるのですが、そのお兄さんもうちの大学卒業で、すでにカナダへ移民、さらにその上にもお兄さんがいて、彼も家業の中医学を継いでいます。兄弟3人全員中医学をやっているというのも最近の中国では珍しいかもしれません。

 家族代々中医学を継承していたりすると、中医大学に入るのにも優遇され、私の回りの同級生にも結構いました。家業を継ぐにも、伝統的なこと以外に、中医学の系統的な知識は必要ですからね。彼の家自体は、地元で不妊治療で有名です。

 さて、私と同じ同級生だった一番下の弟は、中医学の推拿が得意。中国各地の推拿の有名な先生に師事し、浙江省の地元で診察しています。とくに、中医推拿の有名な先生は山東省に多いらしい。推拿は、いわゆる中医学のマッサージ的な分野ですが、精神的な修練も大切にします。医者自身にとっても、体力を消耗する施術ですから、トレーニングが大切なのです。

 そんな彼も、いまやBMWに乗っています。まあ、昔から見栄っ張りな性格だったけど、社会人になっても変わらない。どうも、浙江省で医療活動をしていると、地元の中小企業の社長さんがよく治療にくるらしい。曰く、BMWを乗っている社長さんみんなが金持ちではないよ、実際はみんな小金を集めて買っているらしい。だけど社長業をするかぎり、これぐらいのクルマに乗らないといけないらしい。

 卒業してもうかれこれ10年の歳月が過ぎ、それぞれの道で活躍しています。いまでも、中医学で頑張っている彼らをみると、私も頑張らないと思います。中医学は、確かに教科書があるけど、本当のエッセンスは、こうした交流のなかに有りますからね。
 
posted by 藤田 康介 at 12:43| Comment(0) | 中医学・漢方