2016年07月28日

日本の小学校の給食、そして食育の大切さ

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(まったくブログ更新が追いつかず) 
 今回の日本出張はさすがに忙しかった。
 上海→奈良→東京→大阪→奈良→上海を4日間でこなし、東京と大阪で合計3本の講演会でお話してきました。

 さて、最終日は娘の日本の小学校給食の試食会。

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 上海の公立学校の夏休みが結構はやくスタートし、期間も長いので、6月から9月までは奈良に戻り、日本の学校で勉強しています。お陰様で、日本語の上達は早く、うまく日本語と中国語を切り替えることが出来るようになってきました。ただ、中国の小学校では1年生から英語が加わってくるので、3カ国語の勉強になってしまいます。
 それでも娘が日本の小学校を心から楽しみにしている理由の一つに、やはり日本の学校給食があります。上海にいるときも、とにかく「日本の給食が食べたい」と言っていますから、かなりハートを捕まれているようです。

 とにかく、上海の公立小学校の給食は不味いらしい。校長先生が、入学時に「学校の給食には絶対期待しないでください」と言われるほどですから、想像に難くありません。よって、親によっては昼飯時間になると、クルマで学校にまでやってきて、子供を外に呼び出し、クルマの中で家から持ってきたお弁当を食べさせている人もチラホラいます。もちろん、家から弁当を持ち込んでも問題なく、その場合は給食費を支払わなくても構いません。結構自由ですね。

 さて、日本の給食。

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 本当によく色々考えられていると思います。
 まずは配膳からスタート。中国では、弁当箱式なので、配膳そのものも簡単らしく、給食当番すら存在しないらしい。近年、食べ物を無駄にしてはダメだという風潮が上海でも出始めていますが、でも日本に比べればまだまだ残飯も多く、マズいから食べないという発想ですね。さらに、メニューの種類が極めて少ないらしい。
 日本では、給食に関する一連の準備や後片付けを、児童たちが自分たちでする。小学性の娘にとっては、これがとても新鮮に感じたようです。

 それ以上に、日本の学校給食の最大の特徴は、何と言ってもメニューのバリエショーンの豊富さではないでしょうか。季節や年中行事にも合わせながらメニューが考えられています。こういう工夫は、中国人ははっきりって苦手です。そして、栄養などもしっかりと計算されている。日本は本当に細かく配慮されているわけです。

 さてさて、今回の試食会は、ご飯(パン)、牛乳なしでしたが、おかず3品とデザートが出て来ました。野菜いっぱいのスープと、ブロッコリー、中にウインナーの入った卵焼きが出て来ました。なかなか子供にも食べやすいように味付けされていて、大人の私が食べても美味しかった。しかもアツアツですからねえ。

 中国では、給食といえば絶対に中華料理しか出て来ません。しかし、日本では日本食以外にも、ハンバーグやカレー、スパゲティなども出てくる。このあたりは、食文化の違いですね。中国では、家庭料理でも中華料理以外はまず作られませんから。

 ちなみに、担任の先生から伺ったのですが、ここの小学校は、奈良県下でもカレーが美味しいことで有名らしい。一度食べてみたいものです。

 日本の小学生の皆さん、世界的に見ても、日本の給食は決して不味くないですよ〜。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | 上海での育児・教育・子育て

2016年03月12日

「富二代(資産家の子供)」と呼ばれる中国の若い富裕層の考え方

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  先日、結婚式以来久しぶりに上海外灘の和平飯店に行ってきました。場所は南京東路。上海きってのお上りさん集合エリアです。((^▽^)

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 当時、ホテルの改装がはじまるということで急きょ結婚を決心した私たち夫婦なのですが、リニューアル後に改めて訪れてみて、その変化にびっくり。ますます上海の名門ホテルの気品が際立ってきているように感じました。

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 その当時、上海でのオールドホテルでの結婚式は、私たちの夢でしたが、その理由はオールドホテルだからいくら上海でも建物が潰されることなく、いつまでも思い出が残るだろうという意味合いもありました。

 こうして今、再度訪れてみて、正解だったと思いました。

 今日は、この和平飯店の竜鳳廰で娘の通っているローカル小学校の同級生の中国人保護者と食事の約束をしました。父親は日本で学位を取得した留学経験があり、卒業後IT関係の会社を経営していて、母親は専業主婦ですが、中国でインターの高校を卒業してカナダへ留学して学位取得、帰国してきたというパターン。

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 彼ら夫婦は、ある意味今の上海を象徴している家庭だと思います。どちらも地元上海人ではなく、実家も実業家でかなりの富裕層で、上海と北京に数軒の一戸建てを持っているレベル。いまや上海の大型の一戸建てといえば10億円以上の値が付きますから、かなりの資産家ですね。俗に言う「富二代(資産家の子供)」と呼ばれる人たちです。

 そういう彼らの今の段階での答えは、中国人にとって海外経験が必要だけど、海外にいるだけが幸せではない。どこの国でもやっていける能力が必要だということで、あえて海外移民を選ばずに中国に戻ってきたそうです。もちろん、自然環境とかはカナダとかの方がよいかもしれないけど、社会の活力や治安を考えたら、中国の方が暮らしやすく感じるらしい。

 だから子供もうちの娘と同じローカルの小学校。母親が通っていたインターでは確かに国際的な教育環境で勉強できるかもしれないけど、中国語の習得が心配。さらに児童生徒がどうも偏った層しかいないというのも気になっていたらしい。

 彼らは桁違いの資産家なので、ものすごい生活をしているのか?と思いきや、意外と金銭感覚も普通。むしろ、話を聞く限りすごく倹約家です。中途半端な金持ち、いや逆に貧乏人ほど「爆買い」とかするのでしょうか。確かに、中国人が「爆買い」するようなものは、海外生活した人にとっては極めて当たり前のモノでしょうし珍しくもなんともない。

 基本的にお金があるので、子供の教育にはお金をかけるが、だからといって過酷な受験戦争までは必要ないと考えている富裕層は上海では少なくないです。資産があるから将来子供が食べていくことぐらいなら問題ない。むしろ教育環境を提供するためにはお金を惜しみなく使うようです。

 いずれにいろ、そもそもマイペースな人が多い中国。多種多様な価値観で、自分たちの考えるように人生設計ができる自由さは、ちょっと日本と違うなと思いました。また「富二代」の人たちになってくると、意外と価値観などで共有できることが多いようにも感じます。彼らのように、しっかりと教育をうけて、さらに海外生活経験も豊かな80年代、90年代生まれの人たちが中国社会の中心になってくると、この社会も確実に変わると思います。もちろん、政治も彼らの存在をますます無視できないでしょうね。中国人は主張する民族ですから。

 どの学校で勉強したか?ももちろん大事ですか、もっと広い目でみると、どういう環境で勉強したか?というのはさらに大事なんだなと思いました。そして、中国人の教育は中国国内に留まらず、全世界で学校を選ぶ傾向ですね。日本と中国で行ったり来たりしている我々なんかも、彼らからすれば全然珍しくないわけです。

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2016年03月01日

上海のローカル学校も登下校は運転手付き

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  登下校時刻になると、どこの小中学校の前も、送り迎えのクルマでもの凄い交通渋滞になるのは、上海の風物詩。

 この渋滞は、ローカルもインターも私立も関係なく、大抵の学校で発生します。

 一応、上海の小中学校にも学区があり、近所であれば歩いて行ける距離にあるはずなのですが、それでも道路は大渋滞。

 実は一定の数だけ学区以外から通える制度もあり、さらにいろいろなツテを頼って無理矢理通学してくる人も少なくありません。当然、良い学校と呼ばれる学校まわりの物件は高騰し、「学区房」と呼ばれて父兄達の熱い投資対象にもなっています。学校も、マージンが入るので経営的にもplusになり、結果的に遠くから通う人も少なくないわけです。

 確かに、クルマで通学してくる人のクルマはいいクルマが多い。BMWとかポルシェとか、最近では通学用に「保姆车」と呼ばれているトヨタのアルフアードもよく見かけます。
 中国人がいいクルマを好むのは、もちろんメンツもあるのですが、いいクルマのほうが安全性が高いと考えている人が多いのです。毎日家族を乗せるのだから尚更で、そこにはまず軽自動車という選択肢はないのです。考え方の違いですが、そう言う前にもう少し安全に気をつけて運転したらいいのにと思います。

 学校前は毎日すごい渋滞になるので、学校側もガードマンを増やしてクルマの誘導をしたり、警察官も交通整理にあたります。

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 送り出す方も、父母だけでなく、祖父母を連れてきている人もすくなくありません。親が校門まで子供を送りとどけている間に、警察から駐禁を取られないようにクルマを見張ってもらうのだそうです。

 そうした手間をすこしでもラクにしようと、ボランティアが校門にあつまって、横付けされた自家用車のドアを開けてあげています。そうするとクルマの停車時間が短くなりますし、子供たちも安全に下車できますからね。考えたものです。

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 ただ、中国人の間では、日本のように集団登校させようという意識はないみたいです。組織だったことをすることがもともと苦手な民族ですし、意識の違う人たちが多すぎ。結局、親が学校までおくり届けないと安心できないようですね。

 さて、お昼時間になると、またチラホラとクルマが学校まわりに集まります。

 これは、お昼のお弁当を届けるため。

 中国では冷たいメシは絶対あり得ません。冷たい弁当は屈辱的と考える人もいるぐらいで、出来たてを届けるのが当然という人も多いです。

 小学校にも給食があるのですが、上海の給食はまずいのが定番で、見るに見かねて親が弁当を届けているわけです。中には子供をクルマにまで連れてきて、車内で親と一緒にお弁当を食べている姿も見かけます。うちの娘も、中国の給食にはげんなりしていて、奈良に戻ったときに食べる日本の給食をまるでどこかの高級レストランに行くかのように楽しみにしております。

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