2015年09月03日

世間が騒ぐ「抗日戦線勝利70周年」の日、でも上海生活は普通

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 なんせ、我が家ではテレビそのものがないので、北京で行われた軍事パレードは見ていません。わざわざテレビで見なくても、WechatやWeiboで情報は入ってきますし、なにより日本のメディアが相当に関心を持っているみたいなので、そちらで状況を読んだ方が早かったりします。(^_^)

 だいたい、中国のテレビで出てくる情報はタイムラグがあるので、ネットで情報を仕入れた方が早いのはいまや常識ですが、新聞は読んでいます。官製ニュースを知ることで、そのクニの状勢をしることができるからです。まさに、ニュースの「裏読み」が中国ではとても大切なのです。リスク管理のためにも。

 というわけで、我が家は6時に自宅を出発して、上海の長江沖に浮かぶ崇明島までドライブ。ここ数日、原稿の締め切りや校正に覆われているので、思い切って高速道路を突っ走るとスッキリします。
 今日は陳家鎮の市場にいって野菜を仕入れに行ってきました。日本から戻ってきた家族と行くのは半年ぶりぐらいかな。

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 世間は9月3日〜5日まで連休です。うちのクリニックは3日だけお休み。しかし市場は早朝からとっても賑わっています。農民達も北京で行われている軍事パレードはなんのその、朝から野良仕事に出ています。だけど、高速道路を走ると「抗日戦線勝利70周年万歳」といった標語が電光掲示板に出ていました。

 でもそれ以外はとくに何もなく。街もいつもの休日と同じ。

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 田んぼで野良仕事をしている農家の人たちと地平線彼方まで続く田んぼの風景。当時の日本が、よくここで戦争しようと思ったものですね。中国で暮らすようになって、とくに不思議に感じます。

 中国人からすると、折角の連休ですから日本に旅行に行くのには絶好のチャンス!まわりの上海人も日本へ飛び出しています。日本人はちょっと考えすぎなのかもしれませんね。もちろん、考えないわけにはいかないでしょうけど。我々は折角「戦勝国」で暮らしているわけなのですから、戦勝国の感覚をみてみたいと思うわけです。

 そして沢山の中国人が日本で爆買いをしてくれることは、経済効果は大したことないかもしれないけど、将来的には非常に意味があると思っています。中国人が日本に滞在することで、自分たちのことを、問題点や矛盾点を見つめ直すチャンスになるから。だから日本の将来のためにもとりあえずは「熱烈歓迎」しようではありませんか!

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 安保とか集団的自衛権とかいう前に、本来は平和憲法があるのだから、相手を挑発しないで防衛する方法を考えなければいけません。これぞ、我々日本人に与えられた使命だと私は思います。

日本行きのスケジュールはこちらからどうぞ。
東和クリニック・中医科での担当スケジュール
posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | 雑草と雑想

2013年10月06日

ちょっとしたサプライズ

 最近、誕生日を自分で意識しなくても、FBはもちろんのこと様々なダイレクトメールでも通知がくるので、ああ誕生日なんだと気づかずにはいられませんね。ということでこの9月で私もいよいよ39歳になりました。30代最後と言いたいところですが、中国式で数えでいくともう40歳です。

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 いつもは淡々と過ぎてしまう誕生日だったのですが、今年はなんか偶然にも友達・仲間達にも恵まれ、年柄もなくイタリアンのレストランでお祝いしてもらいました。ここで出会った皆さんとも、なんかのご縁かも知れません。ありがとう!


 結局20代と30代はずっと中国、それも上海に居たことになります。私にとっては、間違いなく上海は第2の故郷でしょうが、今後も中国永住権の関係で一定期間は中国に滞在しないといけないこともあるので、しばらくは日本と中国を行ったり来たりすることになるでしょう。さらに最近の傾向として、日本での用事や仕事も増えてきていますし、今後もこの傾向が続くでしょう。


 上海にはじめて来た18年前は、まさかこの街でずっと暮らすことになろうとは思いもしませんでした。正直、日本へのこだわりも大きかった。でも、なんやかんやいってここの空気と水が会うんでしょうね。(決してキレイとは言いませんが。)そして、なによりも何かをやり続けるエネルギーが湧いてくるような気がします。こうやって20年近くも中医学を第一線でやってこられたことにも、上海との縁を強く感じています。これからも微々たる力ですが、細々とやっていきたいと思います。

 みんながみんな同じようにする必要はありません。日本で頑張る人もおればいいし、中国で頑張る人もおればいい。日中間を往復する人もおればいいし、東南アジアへ飛び出す人がいてもいい。要は、あらゆる選択肢を豊富に持っていることが今の日本にとってとても大切なことだと思います。

 ところで、よく永住権を取得したら日本国籍はどうなるの?という質問を受けますが、永住権と国籍は全く別の話しで、私は今でもれっきとした日本人です。もちろん日本や中国に出入国するときは日本のパスポートです。

posted by 藤田 康介 at 14:37| Comment(0) | 雑草と雑想

2013年09月28日

上海がイヤになるとき

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 上海でまた18回目の誕生日を迎えることになりました。
 そういえば上海に来てから、日本で誕生日を迎えたことはないですねえ〜。

 中国に限らず、海外に長くいると、どうやらある一定の年数を過ぎると無性にその国から出て行きたくなるように思います、その時にもちろんその国を出て行って、他の場所に拠点を変えるのも手ですが、現実はそんなに簡単なことではないです。

 私も中国上海で暮らすようになってはや18年の歳月が過ぎました。初めの数年間は、帰国する日本人の送別会にもたびたび呼ばれたりしたのですが、こう長くなるとそういったことも無くなります。(^▽^) むしろ、中国をあとにする上海人の送別会に呼ばれたりすることも多いです。

 月日が過ぎるのはなんかあっという間のような感じもしますが、そんな私でも正直、日本に帰ってしまいたくなることは多々ありました。なにか日本が天国のように見えてしまうような感覚です。きっとそういう心理的なサイクルがあるのでしょうね。

 ちなみに、今ではまったく逆で、日本に出張にいって数日間仕事をすると、上海に戻りたくなる。例えば、いくら日本に美味しいモノがいっぱいあってもそれらを食べてしまうと、今度はなにか無性に上海の中華料理が食べたくなるわけです。自分自身の世界が広がったのかもしれません。

 時々、仕事の事情で上海で暮らしていて、「もう上海なんかイヤだ、だけど仕事だから帰れない!」という方の相談を受けたりします。大体、大体滞在して5〜10年前後ごろに出てくる症状かもしれません。

 そもそも、日本人にとって日本から距離的にとても近くて、しかも日本に近い普通の暮らしが便利に出来てしまう外国というのはそうありません。漢字もみれば分かる。上海はそういう数少ない街の一つです。道理で20世紀前半には、上海人口400万人の中に10万人も日本人がいたのだそうです。今後、おそらく居住することはなくても、日本からの出張ベースでの訪問など長い往来がずっと続くような街になっていくと思います。

 さて、そういう倦怠期の対処法としては、一番いいのは時間見つけて(用事を見つけて)日本に戻ることだと思います。1日何十便と上海ー日本便は飛んでいますし、航空券も安くなったので、結構簡単に実現してしまいます。週末だけ日本という過ごし方も十分有りだと思います。そうして日本に戻ると、ふっと気がつくことがあったりし、それがまたエネルギーとなって、海外生活の糧になってくれます。

 そして、もう一つ乗り切る方法としていいのは、中国国内を旅行することだと思います。それも、日帰りではなく、最低でも1泊2日で、100キロ以上離れた田舎に行くのが最も効果的ではないでしょうか。私の場合、山育ちなのでなおさら山が恋しくなる。そうなると上海からは250キロぐらいは離れないといけませんが。

 実は、以前の私は、そうした中国の山村の風景に日本の田舎を投影して、何らかの心の癒やしを求めていたりしていましたが、最近は「ああ、これが中国の魅力なんだ!」と分かるようになってきました。中国しかない魅力を見つけられるような心の余裕がやっと出来てきたのかも知れません。山村では多少生活は不便かもしれませんが、その土地ならではの楽しみ、郷土色豊かな営みがとっても輝いて見えるようになってきました。

 しかし、どう考えても上海という街は小さい。あの内環状線という城壁の中で暮らしていると息が詰まってくるし、いったいその外でなにが起こっているのだろうか?と気がつきにくくなります。中国の魅力の一つに、その果てしなく広大な大地があるわけで、これを感じないで上海ばかりでくらしているのは非常に勿体ないと思います。

 さらに、街の中には、色々なストレスが溜まっていますし、人々の動きも忙しない。しかし、ちょっと田舎に行くと全く違う世界が広がっています。それも、団体で行くのではなく、できたら一人で、もしくは家族旅行で行って頂きたいです。そうじゃないと、なかなかOPENな人と人の繋がりを楽しめないと思います。

 もうすぐ国慶節の連休です。大部分の在中日本人の皆さんは一時帰国されたようですが、残っている方も少なくありません。ここは上海にずっといるのではなく、勇気を出してちょっと街の外も見てみては如何でしょうか。なんか、意外と敷居が低いことに気がつくかも知れません。

 さて、この国慶節の私はもう少しその中国の魅力探しに走り回ろうと思っています。
 そもそも18年前と比較したら何事も雲泥の差。楽しみがぐ〜んと広がります。

posted by 藤田 康介 at 16:30| Comment(0) | 雑草と雑想