2013年02月18日

上海人の仲居さんと再会

 今から1年前ほどまえに訪れた島根県にある秘湯の宿、海潮荘で、上海人の仲居さんがいらっしゃることをこのブログでも紹介しましたが、その後も時々連絡があったりして、春節の帰省時にうちのオフィス甘霖まで来て下さいました。
 上海から中国に渡られてかれこれ13年。日本の永住権も取得され、島根県で生活されています。来日当初は日本語ゼロでしたが、見よう見まねで日本語を覚え、今では日本文化の一つである温泉旅館で、料理を運んだり、仲居さんの仕事を難なくこなしてられます。日本の温泉旅館の料理と言えば、難しい料理の説明があったりするのですが、日本人のお客さんに対してもしっかりと対応していました。

 「空気も水もおいしい、島根県での生活はいいね」と、昨今の中国の大気汚染の状況を交えながら話すると、そうした問題以上にやっぱり「日本は静かすぎる」という答えでした。確かに、毎日温泉にも入れるし、空気も水も申し分ないけど、あまりにも生活が静かすぎて、刺激が少ないというのは、いま日本の地方都市が抱えている問題を如実に表しているのかもしれません。

 海潮荘は、山陰地方では鳥取県の岩井温泉とともに、2箇所しかない日本秘湯を守る会の温泉の一つです。(ちなみに岩井温泉には、2006年にも学会で行っていました。)

 中国人の仲居さんとして、地方の温泉宿で働いていらっしゃると中国人観光客が来るのでは?とか思ったのですが、時々台湾人が来る程度で、なかなかそうもいかないということでした。このご時世、日本人の若い世代の観光客が増えるはずもなく、秘湯の宿とはいえ、小さな温泉地が抱える問題というのは大きい。日本の温泉文化は確かに大切ですが、来る人がいなくなれば、廃れてしまうだけです。せめて、外国人にでも日本のおもてなしの心を感じて欲しいものです。

 地域再生がいわれて久しく、2006年の岩井温泉で行われた温泉学会の記事を振り返ってみても、ずっとそのテーマが討論されていますが、東京など大都市が栄える一方で、日本の地方都市の現状はかなり厳しいのにはかわりません。

 最後に、「いつかは上海に戻りたい?」と聞いてみたら、「やっぱり上海に戻ってきたい」という返事でした。人口減少が続く日本の地方都市で、こうした日本通の外国人がずっと暮らし続けるの環境を作るのは難しいですね。ただ、日本で学んだサービスの経験は、きっと中国でも活かされると思います。

 そうすると、老後の生活を日本でゆるりとおくるのにはいいでしょうね。あ、そうすると日本の高齢化問題には全然協力できないか。。。。


posted by 藤田 康介 at 07:57| Comment(0) | 雑草と雑想

2012年12月01日

12月だ、整理整頓だ!

月末の原稿書きが終わりました。これで一段落ですが、毎年年末にかけて中医クリニックが忙しくなるので、突っ走りたいと思っています。

12月に入ったので、ごちゃごちゃしてしまった、あることを整理しようと思いました。そうなんです。ちょうどキリがいいので、それぞれのブログのありかたを再検討しました。
 まず私のプロフィールを紹介しているのが「細水長流」で、私の公式HPになっています。
http://www.mdfujita.jp。自分の足跡を残しております。

そしてブログですが、今年から2つに分けました。
私の活動の中核となってきた2つのブログです。

生活情報を中心とした
甘霖・我が愛しの上海へ http://ganlin.sblo.jp/

中医学・漢方・健康情報を中心とした
中医・我が愛しの上海へ http://mdfujita.sblo.jp/

また、以前書いていたブログの過去のテキストデータは「甘霖・我が愛しの上海へ」http://ganlin.sblo.jp/にまとめました。まだカテゴリー分けは完全ではありませんが。。。。

 このときに気がついたのですが、今まで書いてきたブログの記事数はなんと3000本近くになっていました。初期の頃のブログを読むと非常に恥ずかしいのですが、でもこれも成長してきた足跡としてインターネットの世界に残しておこうと思います。なお写真データは、すべてバックアップとったので、追々「甘霖・我が愛しの上海へ」へアップしていきます。

 妻の会社「甘霖」も施行はまだ終わっていませんが、だんだんと様になってきて、仕事も増えてきました。一応「甘霖」のHPは立ち上がっています。http://www.ganlin.jpで、中医学で医療とは違う新しい世界を実現できたらと思っています。(^_^) 

 2013年はいろいろ新しいことを進めていける年にしていきたいと思っています。まずは単行本の出版も頑張らないと。
posted by 藤田 康介 at 00:23| Comment(0) | 雑草と雑想

2012年09月25日

日本って怖い国なんだという印象(その逆もまた然り)

「中国でいろいろ大変ですね」というお声をいただきますが、正直言ってほんとうになんにも発生していないので、ニュースをみて、「ああ、そんなことがあったんだ」といった感じです。

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 先日、ある中国北方出身の20代の男性(日本語はしゃべれるけど、日本は未経験)と話をしていて、日本という国は怖い国で、今中国人が日本に行くと、日本人から報復されると真顔で話をしてきました。中国の旅行会社が、日本行きツアーを中止し、航空業界や観光関係は打撃を受けていますが、あのゴタゴタ以降、そうした恐怖心で日本を見ている人が少なくないのも事実だと思います。教育も関係あるかもしれないけど、メディアの影響は確かにすごい。

 一方で、日本からみた中国も同様だと聞きます。メディアの影響もあるでしょうけど、英語が通じる米国などの欧米圏と違って、日本と中国の間には言葉の壁が絶えずついてきて、十分なコミュニケーションがとれないというのも現実です。TwitterとWeiboではプラットホームが全然違いますし、直に討論できないという状態には相当苦しいものがあります。


 中国とうまくつきあうコツのひとつに、とにもかくにも中国的形式主義になれる必要があるように思います。例えば、交通ルールでは、みんな歩行者優先であるということを知っていても、横断歩道では絶対クルマは止まらない。反対に、日本では一人でも横断歩道に人がいると確りと止まる。決まり事を守るということだけに関しても、これほどの違いがあるのです。

 中国でも当然様々な決まりがあるのだけど、その臨機応変な適用の仕方は、我々日本人からするとかなり違和感があると思います。結局は言っていることとやっていることが違うことが多いわけなので、その中国的なやり方をうまく利用すべきだとも思います。だから、そういう国に対して、真っ正面から対決するほどばかげたことはありません。「普通の人」が世の中にいないように、それぞれの国もそれぞれの個性をもっています。その個性をうまく利用して、自国へ利益を導き出すのが外交なのだと私は思います。

 で、中国も中国で、日本のそうした反応を見越しているはず。日本はいまだに中国とのバランスの取り方が苦手なようだけど、きっと日本のまじめな国民性とも関係があるんではないかなと思っています。外交はまじめや我慢、理屈、努力だけでは無理です。融通と柔軟性がなければいけません。

 国慶節が近づいてきて、上海の街にはあちこちに赤い国旗が掲げられています。これは毎年のことなので、特に不思議でもないのですが、先日のゴタゴタのあとでみる赤い国旗だけに、複雑な感情を持ってしまうのは、私だけではないと思います。

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 そろそろ日系自動車の広告も新聞に掲載されるようになりました。上海の市内中心部に限って言えば、日本料理店や日系の外食チェーン店はほぼ普通に営業できていますし、沢山の地元市民で賑わっています。日本雑貨の店も、普通に営業しています。いろいろ心配されていますが、結局はそういうもんなんです。

 しかし、現代は本当に情報戦争ですね。メディアの書き方によって、日本も中国もいとも簡単に感化されてしまう。何事でも、自分の目で確認しないと確証できません。



【連絡】・東京での温泉気候物理医学会招待講演のため、10月7日(日)は休診します。10月6日(土)は午前診察で、10月4日(木)・5日(金)は通常診察になります。 
・健康ブログ:「我が愛しの上海へ2」-理想の中医学と漢方を求めてはこちらから
posted by 藤田 康介 at 17:25| Comment(0) | 雑草と雑想