2016年03月02日

長江に浮かぶ上海崇明島にも静かに春がやってきています

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 中医学でも伝統的に春と言えば、何かと精神的・肉体的に体が落ち着かない季節といいます。

 眠く感じたり、体が怠く感じたり、偏頭痛があったりと主訴がいろいろと多くなる季節でもあります。そんなとき、雑踏の上海の街中で暮らしていると、ふと静かな景色を眺めたいと思うことがあるかもしれません。上海にはそんな場所はないだろうと思われがちですが、広い大陸だけに、どっかにいけば発見することができます。その一つが、上海の東側に位置する大きな島、長江に浮かぶ細長い崇明島です。

 幸い、上海は四季の移ろいが西日本と非常によく似ているので、上海でも良い感じに春を感じることができます。

 そして、なにより杉・ヒノキの花粉症がないので、花粉症で苦しんでいる人にとっては、まさに天国のような春の陽気かも知れません。ただし柳など他の植物でアレルギー性鼻炎になる場合もあります。春は鼻炎症状以外にも湿疹や蕁麻疹も出やすいですが、そのため中医学でも伝統的に皮膚疾患やアレルギー疾患に対しての処方がいろいろあり試してみる価値はあります。

 ところで、私にとってのこの崇明島のお薦めは島の東側です。

 上海浦東のからなら外環状線の金海路ICから長江大橋で長江を渡れば1時間程度の道のりでちょっとしたドライブでは良い感じですね。

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 とにかく何もない景色が続きます。だけど何もない景色が、逆に山育ちの私にとっては新鮮であったりします。なんせ、場所によってははるか地平線まで見えるわけですから。

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 ここに来たときは、必ず妻を連れて2時間ほど、いつものコースをハイキングします。

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 ちょっとした湖もあったりして、気持ちが良いものです。崇明島は寒い時期は風が強いときは大変なのですが、このハイキングコースにはちゃんと防風林が両側についているので大丈夫です。

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 お腹が空いたときは、瀛東村と呼ばれる村にまで出掛けます。ここにちょっとしたレストランがあり、結構本格的な地元崇明島の料理を楽しむことが出来ます。私もよく利用しますが、味も上出来です。お薦めはやはり紅焼もしくは白切のヤギ肉でしょう。冬の寒いときは、写真のような紅焼ヤギ肉を食べると体がホカホカと温もってきます。上海エリアでは、冬に体を温める食材としては代表選手ですからね。違いは食べたら分かります。

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 ヤギ肉料理は沖縄にもありますが、臭みの取り方は上海料理のほうが上手だと思います。沖縄では艾を使っていましたが、ちょっと苦みがきつすぎました。こちらではニンニクの芽や生姜をうまく使っています。

 崇明島へは上海科技館からも直行路線バスが頻繁に出ています。
 上海で春を感じたければぜひお薦めです。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | 上海観光

2015年06月03日

梅雨時の上海崇明島をドライブする

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 梅雨時の上海、天気がなかなか安定しませんが、6月3日の朝は久しぶりの朝焼けが見られました。PM2.5値も一桁台と好条件が揃っています。

 雨が止むといてもたってもいられなくなり、上海崇明島までドライブに行ってきました。朝5時出発です。

 この時間だと、まだまさ上海の道路はガラガラで、ラッシュ時対応に作られている片側4車線の道路はかなり持て余し気味。逆にスピードの出し過ぎに気をつけないと行けないぐらいです。

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 上海崇明島は、浦東の我が家からだと片道1時間ぐらいの距離。長江大橋とトンネルで長江を渡りますが、土日や祝日となると結構な渋滞となるため、行くとしたら平日が一番です。

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 さて、暦の上では、2015年は6月6日が芒種。この時期前後から、農家では籾を播くそうですが、崇明島でも田んぼにはしっかりと水が張られていて、トラクターが耕しに走っていました。このエリアは有名な穀倉地帯でもあり、市内の大手スーパーでも崇明島のお米は売られています。中国の水で炊くにはちょうどいいかもしれません。

 崇明島にはいくつか自分の気に入ったエリアがありますが、お薦めは東灘界隈。最近、高速道路の出口である陳家鎮から東灘にかけての道路がきれいに整備されていて、随分走りやすくなりました。

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 この時期、麦畑も見物です。まだ収穫されていない麦の穂が、朝日のものとても美しく映えます。まさしく中島みゆきの「麦の唄」の世界です。

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 日本だと、とくに私の地元奈良だったりすると、里山の景色が美しかったりするのですが、崇明島の農村風景と言えば、まさに平原の美。スッキリとした地平線もまた魅力なんですよね。上海の街中は高層ビルでゴミゴミしているので、何もないところ、静かなところに行くことは気分転換としては最高だと思います。

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 朝食はお昼もかねてちょっと遅めにしました。陳家鎮にはいまはHyatt(もちろん、本物!)ができていて、外国人観光客も結構きていました。

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 まだ橋もトンネルもなかった時代、宿泊施設探しにも困った当時がいまや懐かしい。ただ、ホテルまわりの一戸建てが軒並み空き家なのがちょっと気になります。このあたりの住宅地でも日本円で換算すると4000〜5000万円もします!まあ、環境はいいでしょうが、まわりにはなにもありません。

 帰りはスーパー銭湯「極楽湯」に寄って帰りました。上海浦東金橋の「極楽湯」は朝10時からスタート。さすがにこの季節の平日の午前中にくるお客は殆どおらず、大浴場もほぼ貸しきり状態。ゆっくりとお風呂に入って、午後の診察に走りました。

 なかなか良い感じの気分転換ができたと思います。

 もう少ししたら、稲も青々としてくるでしょう。そのころに再訪するのもまた楽しみですね。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | 上海観光

2015年01月05日

上海竜華寺の素麺とボランティアの活躍

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 すごい霧でした。この冬一番ではないでしょうか。

 天気予報でも、いきなり最高気温が20℃近くまであがるという予報だったのですが、こういうときの上海はキリが出やすいです。案の定、航空機など空のダイヤの乱れが深刻だったようです。

 ちなみに、PM2.5は上海にしてはまだマシで60㎍/㎥前後。まずまずだったので1月5日にして初詣を決行しました。その前に、久しぶりの洗車。まとまった雨は降っていないのに、砂埃でドロドロになりやすいんです。機械洗車+人による車内清掃という組み合わせが上海では普通です。価格は20元(400円)ぐらいです。

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 我が家ではいつも上海での初詣は竜華寺です。三国志の呉の時代の孫権が、母親のために建てたお寺で、上海中医薬大学附属竜華病院にいたころはこの近くに住んでいたこともあり、そのころから毎年お参りしています。この時期、拝観料が無料なのも嬉しいです。

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 上海人の間では、あまり元旦初詣の週間はありませんが、仏教を信仰している人を中心に、竜華寺に人気があるのは確かです。平日の昼間とはいえ、結構なかずの参拝客が来ていました。お参りに仕方にもいろいろ流儀がありますが、ひとつひとつのお堂を丁寧にお参りしている人が多いです。

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 煙がもうもうの境内に、さらにお線香はちょっと気が引けたので、献花することにしました。お線香と一緒に売られていました。

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 お参りのあとは、竜華寺の名物でもある素麺をいただく。肉を使わない精進麺ですが、ここのお寺の伝統の一つです。以前はお堂の食堂でいただいていたのですが、今回はレストランができていました。

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 お店で、オレンジ色のベストをきて動いている人たちは「義工」といって、ボランティアです。キリスト教の教会でもそうですが、中国でも信仰している人たちを中心としたボランティアが、こうした施設運営に協力していることが多いです。また、そうした人たちとのふれあいを楽しみにしている参拝者もいます。商売っ気があまりないからこそ、気分を新たにしてまた頑張ろうという気になるのだそうです。

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 参拝のあとは、久しぶりに徐匯区濱江地区を散歩してみました。黄浦江のそばにある竜華寺エリアは、虹橋空港よりもさらに古い旧竜華空港があり、以前は使われなくなった滑走路もあったのですが、今はもうありません。そのかわり、ウオーターフロントとして整備されていて、ロッククライミングやスケートボードの練習場もあったりと市民の憩いの場所になっています。寺周辺も再開発中でした。ちょうど上海万博会場の対岸に位置します。

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 暫く歩いて行くと、廃線跡になり、その先には蒸気機関車が静態保存されています。じつはここに上海南駅があったんですね。2006年に今の南駅ができてから、名前は南浦駅に変わりましたが、黄浦江からの物流の拠点として、ここから瀘杭、瀘寧各線に貨物列車が運行されていました。ちょうど万博が開催された2010年頃から建設8145気機関車が保存されているというわけです。ちなみに、この蒸気機関車もかつては上海−杭州を走っていたもので、大陸的でとてもパワフルな印象です。

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 黄浦江は、船の往来がとても忙しい川です。沿岸に坐っていて、船の往来を眺めているだけでもぜんぜん飽きません。時折、びっくりするような大きな貨物船が通過していくこともあります。とにかく、中国は大きくてダイナミックです。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | 上海観光