2013年04月06日

上海小洋山島でハイキング〜鑑真和上が滞在した島

上海市の南の端、臨港新城の沖にある島、小洋山島に行ってきました。
 この島、実は私は3回目です。その昔、洋山港ができたときに1回、そして商工クラブの遠足でいったのが2回目。1回目にいったときは、右も左もわからず、強風の中を歩いたことを憶えています。

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(臨港新城)

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(上海郊外でよく食べられるお焦げ付きの菜飯)

 まずは、臨港新城までいって腹ごしらえ。小洋山島まで行ってしまうと、食べるところがまずありません。臨港新城は、非常にきれいに整備された新都市で、もうすぐ市中心部から地下鉄も開通します。一応、5★ホテルやレストランなどもあります。街の真ん中には滴水湖もあり市民の憩いの場所になっています。ここで私達も簡単に地元料理をいただきました。

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 洋山港は長さ30キロある東海大橋を渡る、小洋山島に位置します。S2高速道路をずっと南下していけば橋を渡って到着します。コンテナを運ぶトレーラーが多いですが、一般車も通行可能です。自動車は左側1車線が一般自動車用で、右側2車線がトラック用となっています。物流の中心へのルートなので、ここではあくまでもトラック優先の配置になっています。

 一般に、コンテナ港と思われている洋山港ですが、じつはちょっとしたハイキングコースがあるのは、あまり知られていないと思います。観光地として開発されていたのは、私も最近まで知りませんでした。2007年4月にOPENしていたようですが、それが今回出かけてきた石竜景区です。

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 島自体は岩がゴロゴロしている、とても殺風景で荒々しい景色です。いまでこそコンテナヤードで賑わっていますが、自然の厳しさを感じさせられます。

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 島の歴史は結構古いそうで、文献には545年頃からその存在の記載があり、唐代の743年には日本へ渡ろうとした鑑真和上が風の状況が良くなかったので2回この島に滞在しているらしく、そのことを偲ぶ石の彫刻が残っているらしい。また、倭寇の襲来に備えて、明代の1552年には軍事訓練が行われたりしています。文人達も時々訪れていたらしく、彼らが巨石に掘った書が今でも残っています。近現代では1949年頃は国民党の蒋経国がこの島で活動したりと色々なエピソードがある島でもあります。

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 奈良にゆかりのある鑑真和上がこの島に来ているというのはすこし感動ものです。

 いまでこそ、橋をクルマで渡れてしまうのですが、いざ船となると大変なことです。この島に到着した鑑真和上は、どんな心境で日本を目指したのか、ちょっと想像してしまいます。この目の前の茶色の大海原をみながら。。。。

 さて、現在の小洋山島は保税区にもなっていて、どこでも自由に歩き回れるというわけではありません。ただ、このハイキングコースは入場料30元+駐車場10元で自由に入れます。ちなみに、売店は入り口にありますが、ハイキングコースにはないので水などは持参した方が無難です。

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 以前は歩きにくかった岩の道は、いまではちゃんと歩けるように整備されていて、普通のスニーカーで十分に楽しめます。アップダウンはけっこうありますが、全長2600メートル程度なので、子供でも十分歩けます。展望台も4カ所設置されていて、島の様子を見るのもまた楽しいです。

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 ただ、お薦めは一番奥に位置する標高141.7メートルの大観音山です。ここからは、巨大洋山港の延々と続くコンテナヤードや、付近の島々を望むことができます。ここが中国の物流の拠点であることをこの目で確りと確認できます。

 とにかくでかいんです!

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(ヘソカドケマイマイ)
 実は、ハイキング中に珍しいカタツムリを発見しました。日本では絶滅が心配されているヘソカドケマイマイかと思われます。殻のふちにトゲトゲが出ている、特徴のある形をしています。

 私達は清明節の連休中にいったのですが、人はそれほど多くもなく、海からの風だけに空気も新鮮で、とても気持ちいいハイキングができました。この先には、様々な島もあり、また機会があったら違う島も訪れてみたいと思いました。

 
 
posted by 藤田 康介 at 08:03| Comment(0) | 上海観光

2013年02月11日

春節といえども、市場の朝は賑やか

 上海の崇明島3日目。

 今朝、まだくらいうちに目覚めると朝食もとらずに宿を出発。目的地は、近くの港町堡鎮の野菜市場への買い出しです。といっても、コテージのある陳家鎮からは20キロぐらいの道のり。道路が広いので、移動はらくなのですが、距離があるのが中国です。

 この堡鎮は、長江大橋が出来る前は、上海宝山エリアと結ぶフエリーが発着する港町でした。浦東の自宅から自転車で崇明島に通っていた頃は、この堡鎮を起点にして、東灘へ自転車を走らせました。崇明島から上海本土を結ぶバスが走り始めても、フエリーは残されていますが、利用客のながれは、完全にバスに移ってしまいました。

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(竹みたいに長いサトウキビは中国庶民の大切なスナック)

 春節で、田舎に行くとあらゆる店が尽く閉まってしまっても、そこだけ活況なのが中国の市場。どんなにスーパーが閉まっていても、市場はしっかりと開いているのは凄いと思います。特に、農民達が市場のまわりに自分たちが作った農作物を売りに来ます。じつは、これが場所代を摂取される市場の中の野菜よりも新鮮で安かったりするので、私たちの買い物の目的でもあります。まさに、生産者である農家の人の顔を見ながら買い物ができるわけです。活きの良い野菜は、絶対朝買うのに限ります。

 朝食は、堡鎮のフエリー乗り場へ。橋がないころ、クルマをフエリーにのせるのが大変で、コネのない人は、長い行列を作っていました。もちろん、自転車同様で、下手したら載せてもらえないことも。そんなとき、時間を潰したラーメン屋がまだ廃業せずに残っていました。懐かしい思いがいっぱいで、朝食の麺を頂きました。上海人も大好きな雪菜ロース麺と両面焼きの目玉焼きです。

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 そして、こんどはルートを換えて島の中をドライブしました。今回走ってみたのは、北沿公路。ここは、美しい並木道があって、自転車で走ったときも気持ちよかった印象がありました。GoogleMapをみてみると、この通り沿いにいくつかの沼(湿地帯)があったりします。そういった場所へふと行ってみたりすると、意外な収穫があったりするのですが、今回もそうでした。

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 ダートになってしまった道路でいけるところまでクルマを進ませ、その後は歩いて目的地を目指します。あたりは本当に静かで、時々鳥の鳴き声がする程度。あとは、サラサラとかれた芦が擦れる音が聞こえてきます。ああ、上海にもこんなところがあるんだ!となにか大発見した気持ちになるのですが、そもそも中国での旅行とはそういう感動が楽しい。観光地はどこも掘り尽くされた感じがしますからね。

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 そして、農家が美味しい食材を収穫していたら、いつもお願いして現金で直接買わせてもらっています。今回も、ちょうどアヒルの卵を運んでいる農家の人に出会って、採れたての卵を分けてもらいました。

 お昼は、近年崇明島でも増えている農家楽へ。観光客を相手にした、農民達による素朴な地元料理をいただくわけですが、出てくるモノは大抵きまっていて、地鶏と蝦と魚と野菜。でも、この4品が欠かせないのです。農民達の現金収入に少しでも貢献できたらと思い、もちろん注文しました。娘も完食。やっぱり、食材が違うんですよね。

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 こうした農家楽で使われる食器などは、現在、まとめて洗ってくれるセンターがあり、食器の不衛生問題はかなり改善されました。以前と比べて、農家楽で食べる敷居が低くなったように思います。ぜひ一度は体験してみたモノです。

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 帰りは、例の極楽湯で一風呂。金橋エリアにあるので、崇明島からの帰りなら、クルマで立ち寄るにはちょうど良い場所です。2日間の歩いた疲れを大きなお風呂で癒すという贅沢が上海でもできるようになりました。

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(地元上海のお客さんで極楽湯もしっかりと賑わっていました。ちょっと安心。。。)

 こうやってお風呂に入っても、まだ明るい時間に自宅に戻れるのが崇明島旅行の強み。夜は、今日買った食材だけで妻が料理を作ってくれました。売ってくれた農家の人の笑顔を思い出しながら、頂きました。

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 2月9日〜13日まで春節休診です。


posted by 藤田 康介 at 00:23| Comment(0) | 上海観光

2013年02月10日

素晴らしい朝焼けに誘われて

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 朝は、まだくらいうちに目が覚め、ふと外に出てみると、これが結構凍える。朝焼けが見えてきた方向に走ってみると、太陽が昇ってきました。気持ちいい朝の始まりでした。いわゆる「初日の出」ですね。いよいよ新しい年が始まります。
 中国では、元旦を越えても、「新年から〜」というと、春節明けのことを指します。
 日本で正月を迎えたときは、まだ春節があるぞ〜、とか思ってしまいましたが、春節がやってくると、もう逃げることはできません。本当に2013年が始まりました。(^_^)

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 朝食は、春節期間中にもかかわらず、地元の人たちが準備して下さいました。豆乳はもちろん、崇明島の特産のお餅も手作り。里芋などは、このあたりで収穫されたものばかり。ホテルの朝食ビュッフエみたいに品数は多くないけど、なにか温かい感じでいいですね。

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 今日は一日ゆっくりと島に滞在。ひたすら島の東の端の方まで歩いて行き、遠く水平線の彼方まで続く干潟の芦の原を堪能しました。崇明島の東部は、渡り鳥が飛んでくるエリアで、野鳥の保護区にもなっています。よって、保護エリアはかなり厳重に管理されていて、やすやすと入ることはできません。ただ、そのギリギリのところまでは自由にあるくことができたりします。

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 はるか水平線の向こうには日本が。ちょうど緯度的には鹿児島県あたりか。

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 これだけ歩くと、さすがに娘も疲れたみたい。夜は熟睡でした。

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 夜食べた昴刺魚(日本名ではコウライギギ。日本にいるギギの仲間。)は、上海エリアでよく食べられる淡水魚。小さなナマズみたいですが、臭みもなく、なによりフナと違って小さな骨があまりないので食べやすいです。写真のように紅焼風にすることが多いです。

2月9日〜13日まで春節休診です。


posted by 藤田 康介 at 00:23| Comment(0) | 上海観光