この島、実は私は3回目です。その昔、洋山港ができたときに1回、そして商工クラブの遠足でいったのが2回目。1回目にいったときは、右も左もわからず、強風の中を歩いたことを憶えています。

(臨港新城)

(上海郊外でよく食べられるお焦げ付きの菜飯)
まずは、臨港新城までいって腹ごしらえ。小洋山島まで行ってしまうと、食べるところがまずありません。臨港新城は、非常にきれいに整備された新都市で、もうすぐ市中心部から地下鉄も開通します。一応、5★ホテルやレストランなどもあります。街の真ん中には滴水湖もあり市民の憩いの場所になっています。ここで私達も簡単に地元料理をいただきました。

洋山港は長さ30キロある東海大橋を渡る、小洋山島に位置します。S2高速道路をずっと南下していけば橋を渡って到着します。コンテナを運ぶトレーラーが多いですが、一般車も通行可能です。自動車は左側1車線が一般自動車用で、右側2車線がトラック用となっています。物流の中心へのルートなので、ここではあくまでもトラック優先の配置になっています。
一般に、コンテナ港と思われている洋山港ですが、じつはちょっとしたハイキングコースがあるのは、あまり知られていないと思います。観光地として開発されていたのは、私も最近まで知りませんでした。2007年4月にOPENしていたようですが、それが今回出かけてきた石竜景区です。

島自体は岩がゴロゴロしている、とても殺風景で荒々しい景色です。いまでこそコンテナヤードで賑わっていますが、自然の厳しさを感じさせられます。

島の歴史は結構古いそうで、文献には545年頃からその存在の記載があり、唐代の743年には日本へ渡ろうとした鑑真和上が風の状況が良くなかったので2回この島に滞在しているらしく、そのことを偲ぶ石の彫刻が残っているらしい。また、倭寇の襲来に備えて、明代の1552年には軍事訓練が行われたりしています。文人達も時々訪れていたらしく、彼らが巨石に掘った書が今でも残っています。近現代では1949年頃は国民党の蒋経国がこの島で活動したりと色々なエピソードがある島でもあります。


奈良にゆかりのある鑑真和上がこの島に来ているというのはすこし感動ものです。
いまでこそ、橋をクルマで渡れてしまうのですが、いざ船となると大変なことです。この島に到着した鑑真和上は、どんな心境で日本を目指したのか、ちょっと想像してしまいます。この目の前の茶色の大海原をみながら。。。。
さて、現在の小洋山島は保税区にもなっていて、どこでも自由に歩き回れるというわけではありません。ただ、このハイキングコースは入場料30元+駐車場10元で自由に入れます。ちなみに、売店は入り口にありますが、ハイキングコースにはないので水などは持参した方が無難です。

以前は歩きにくかった岩の道は、いまではちゃんと歩けるように整備されていて、普通のスニーカーで十分に楽しめます。アップダウンはけっこうありますが、全長2600メートル程度なので、子供でも十分歩けます。展望台も4カ所設置されていて、島の様子を見るのもまた楽しいです。

ただ、お薦めは一番奥に位置する標高141.7メートルの大観音山です。ここからは、巨大洋山港の延々と続くコンテナヤードや、付近の島々を望むことができます。ここが中国の物流の拠点であることをこの目で確りと確認できます。
とにかくでかいんです!

(ヘソカドケマイマイ)
実は、ハイキング中に珍しいカタツムリを発見しました。日本では絶滅が心配されているヘソカドケマイマイかと思われます。殻のふちにトゲトゲが出ている、特徴のある形をしています。
私達は清明節の連休中にいったのですが、人はそれほど多くもなく、海からの風だけに空気も新鮮で、とても気持ちいいハイキングができました。この先には、様々な島もあり、また機会があったら違う島も訪れてみたいと思いました。
