2018年02月20日

東京江東区の深川江戸資料館と深川飯

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 上海では、浦東新区の新興地に住んでいるので、日本での住居は、日中混血の子供の日本文化への理解を深めるために伝統的なエリアに住みたいと思い、奈良県のなかでも中世から続く環濠集落、奈良今井町に住居があります。

 でも、それがきっかけで、自分自身が昔の日本人の生活様式に関心が高まり、さらに専門でもある中医学や日本で育まれてきた日本漢方など伝統医学との関わりに関心を持つようになってきました。古い時代とはいえ、人々の暮らしのなかに現代人が忘れてしまった、健康に対する色々なヒントが隠されているからです。

 今回は奈良今井町の大和八木駅から朝7時半の近鉄特急アーバンライナーに乗って、名古屋乗り換えで上京。これが意外と便利で、奈良橿原から東京へ行く新しいルートを発見した気分です。7時半に出発して、東京に着いたのはお昼前の11時過ぎでした。

 仕事まで時間があったので、一度は行きたかった東京江東区の深川江戸資料館へ見学に行きました。

 深川というと、東京駅の駅弁などでも時々見かける深川飯。その中でも、資料館の向かい側にあった「深川宿」の深川丼が美味しそうだったので、早速いただきました。具にアサリをふんだんに使っていて、ぶっかけて食べるタイプ。どうやら江戸時代の漁師飯がルーツらしいですが、葱とジャリジャリしないアサリがふんだんに入っていて、味噌の味もマイルドにとても美味しかったです。このお店では、味噌が秘伝でポイントらしいです。

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 さて、深川江戸資料館ですが、決して大きな施設ではないのですが、非常に楽しめました。

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 江戸時代の町並み関係の展示物は、基本的に再現されたものばかりですが、良い雰囲気を醸し出していて、ぜひ館内にいる解説員の話を聞きながら歩いてみたいところです。

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 深川の町並みは、商人の家や土蔵の他にも、船宿や長屋も再現されていて、1つ1つに住民達のストーリーがあり、当時どのような暮らしをしていたのかよく分かるように解説されます。例えば、当時普及していた銅で作った鏡があり、すぐに曇ってしまうので、石榴を使って鏡面を磨いたのだそうです。

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 当時は屋台で食べられた天麩羅も再現されていましたし、意外と外食産業が盛んだった江戸時代の様子を知れます。また、外には背の高い火の見櫓や、麺屋も再現されていました。

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 江戸時代の長屋暮らしでは、地方から出て来ても、家具などはシェアできる習慣が一般的で、着の身着のままでも暮らして行けたそうです。

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 深川というのは、結構有名人を輩出していて、曲亭馬琴・松尾芭蕉・平賀源内なども住んだことがありました。

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 残念ながら、現代の深川には、当時の面影のある建築物はあまり残っていませんが、江戸時代に栄えた街(漁村風?)の再現は、とても勉強になりました。

 結構、台湾人や中国大陸からも見学に来られていました。

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(深川でみかけた公衆トイレ)

 私に深川を解説してくださった方は、偶然にも奈良にもよく行かれている方で、今度は寺内町として本物が残っている奈良今井町にもぜひ足を運んでくださいとお伝えしました。関東では東大寺や薬師寺など奈良公園や西ノ京エリアはよく知られていますが、橿原エリアは今ひとつの知名度。重伝建地区の今井町も知られていません。とはいえ、明日香村なども近いし、交通アクセスも便利なので、しっかりと宣伝しておきました。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | やった〜!日本なり

2018年02月14日

紀州漆器の街、海南市黒江へ行ってきました

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  中世の町並みを残す、奈良橿原市今井町で40年以上今井町の保存活動を行ってきている今井町町並み保存会の活動の一環で、その県外研修に参加してきました。

 今回も、保存会の若林会長をはじめに、NPO法人奈良まほろばソムリエの会の鉄田理事も参加され、非常に密度の濃い研修会になりました。こうした研修会はもう20年以上続いていて、今井町の町作りを住民サイドから盛り上げていくのに大きな役割を担っていると思います。

 今回は、根来寺ー黒江ー温山山荘という1日コース。海南方面には行ったことがあったのですが、そこに黒江という集落が紀州漆器の街として残っています。いつも上海から関西空港へ着陸するときに眼下に見えるエリアでもあります。

 実は今回の研修で、いつの間にか京奈和自動車道が奈良橿原から和歌山を経由して阪和道路に繋がっているという事実を経験し、しかもこの自動車専用道路から見える葛城山が非常に雄大で、出発から新しい発見ばかりでした。奈良橿原から和歌山方面は遠いというイメージがなんとなくあったのですが、完全に覆されました。

 いやはや、日本ではこういう高速道路が完成するのが遅すぎるでしょう。日頃中国で暮らしていて、いま農村エリアでの高速道路の整備が急ピッチで行われているのですが、高速道路の開通が地域経済にもたらす影響の大きさを目の当たりにしているだけに、道路インフラはとても大切だと痛感します。ただ、中国と違って、京奈和自動車道の山間部は対面通行ですのでこれも早く上下4車線にするべきでしょうね。

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 根来寺は国宝の大塔は、日本最大規模で、高さ40メートル。しかも、中を見学できる数少ない国宝といわれています。1547年築のオリジナルの姿を今に見せています。また、根来寺の本堂となる大伝法堂は、建物こそ江戸時代築ですが、本尊は1405年築で室町時代のもの。住職が非常に詳しくお話してくださり、大変勉強になりました。

 もちろん、大塔の木材にある鉄砲の跡も見つけましたよ。

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 そのあとは、紀州漆器の街、海南市黒江へ。至る所に漆器の工房や漆を入れた樽が散見され、ここが漆器の街として発展して来たことが実感できます。「うるわし館」では、蒔絵体験などもできる施設もありました。さすが越前・会津・山中・紀州の4大漆器生産地の一つです。

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 黒江はギザギザののこぎり状の町並みが特徴で、これらは江戸時代に黒江の入りを埋め立てた名残と言われています。

 江戸時代の民家や、今でもお店やカフエなどに活用されている民家もあり、町家の見学もできます。

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 集落の高台には、中言神社や浄国寺があり、人々が津波などが来たときに避難できるよう、等高線に沿って通路も作られていました。

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 浄国寺には時を知らせる太鼓も残されています。

 街自体は非常にコンパクトですが、漁村の面影を強く残しており、散策するのには良い感じです。

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 中言神社には、黒牛像から名水が湧き出ていて、ここから清酒「黒牛」が作られています。酒蔵は「黒牛茶屋」になっていて、休憩所として活用されています。
 
 最後は、琴ノ浦にある温山荘園を見学。

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 世界有数のベルトメーカーである、新田帯革製造所(現ニッタ株式会社)の創業者、新田長次郎の別荘を見学。これがまた広く、さすがに健康維持のために使われた別荘と言われるだけあります。庭の中を歩くだけでも、十分な運動になります。ここは純和風と思いきや、実はダンスホールが設置されているなど、明治時代の面影を色々感じることが出来ます。

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 今でこそ庭先は埋め立て地になっていましたが、その当時は海だったそうで、庭の池にも海の水が引き込まれていました。

 紀伊半島一帯にはまだまだ沢山の小さな街が沢山残っています。これらの街が、少しでも元気で生命力が出せるように、我々も応援していかなくてはいけません。また、関西空港から離れているわけでもないですし、地元の人たちももっと自信も持って自分たちの街をPRしていかないといけないですね。私が見る限り、まだまだ掘り起こせるネタが沢山あるように思います。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | 奈良橿原市今井町の魅力

2018年01月24日

冬の中国ハルビン、雪と氷の祭典はなかなかお薦め

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 2018年1月22日〜25日まで黒竜江省の省都、ハルビン(哈爾浜)まで行ってきました。

 南方の上海からは意外と近く、直行便で2時間半。寒いと行ってもまだ0℃以上はあった上海から、一気に氷点下30℃の世界へ飛ぶのはなんとも不思議な感覚です。飛行機が着陸するアナウンスが入る頃には、眼下は一面の銀世界でした。

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 到着して、飛行機の外に出るとまず感じるのが身を切られるような寒さ。上海での防寒対策程度では全然太刀打ちできないことが即刻分かりました。ユニクロとかの軽いダウンでは、すぐに体が寒さを感じてしまいます。そこで、まずは空港内の更衣室で着替え。これはとてもとても大切なことであることを実感しました。

 空港は市内中心部から結構離れていますが、リムジンバスが便利です。1時間ちょっとで市内まで行けます。

 ただでも寒い上海なのに、なぜわざわざ厳寒期のハルビンに行ってきたの?とよく聞かれるのですが、中国の北国の冬は一度体験してみる価値はあると思います。北海道ともまた違う冬の楽しみ方です。

 そして、この時期はハルビンでは氷の祭典が行われています。

 巨大な雪の彫刻があり、そり遊びなども楽しめるハルビン太陽島国際雪彫芸術博覧会と、氷の祭典であるハルビン氷雪大世界の2つの会場がお薦めです。後者は会場もかなり大きく、入場者も圧倒的に多いです。


ハルビン太陽島国際雪彫芸術博覧会

ハルビン氷雪大世界

 交通アクセスですが、市内から少し距離があります。

 私はまずタクシーで太陽島国際雪彫芸術博覧会の会場に行き、夕方から太陽島のシャトルバスを使って氷雪大世界へ行き、さらに夜はシャトルバスを使って、ハルビン市中心部にまで戻ってきました。何れのシャトルバスも分かりやすいところから発着していました。なお、ハルビン市内のタクシーは、地元の人に対しても乗車拒否が多いので、べつに気にする必要はないです。辛抱強く待てば載せてもらえます。

 とにかく外は最高気温では零下20度、夜になると零下30度ほどですので、しっかりと防寒をしていてもなかなかの寒さです。

 私は上下つなぎのダウンスーツで行きました。周りから大げさと笑われましたが、これは超暖かかったですよ。スキーウエアだけで震えている人もよく見かけたので、十分な対策は必要です。また、低温でスマホがシャットダウンしてしまうので、スマホにもカイロを貼っておくのは地元の人の知恵ですね。

 太陽島の雪彫芸術博覧会は、サラサラの雪を堪能できます。会場の池も見事に凍っていて、自転車に乗ったり、そり遊びを楽しんだりできます。特に、子供はそり遊びを楽しかったようです。周りには犬ぞりやスノーボービルの運転体験などをするところもありました。

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 一方で、氷雪大世界は夜がお薦めです。夜のライトアップが非常に美しく、堪能できました。

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 会場内はピザハットやKFCなど様々な飲食店も充実しており、寒くなれば屋内に入って暖まれば良いでしょう。

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 そりを楽しむコースは会場内に色々ありますので、簡易タイプのそりを持っていけば、結構楽しめます。会場内でもどことなく「行商人」が売っていました。

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 ここまで冷え込むと、雪や氷は一切溶けません。触ってみるとまるでツルツルのガラスのようです。今までの氷のイメージと全く違う代物になっています。雪もべちゃべちゃしないので、触っていても気持ちいいぐらいでした。厳寒の冬では雪や氷があっても「水」が一切存在しない世界で、とても不思議でした。そりゃリュックに入れていたペットボトルの水が凍っていましたからね。

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 会場内は雪と氷の世界なのですが、そこまで滑ることもありません。以外と歩きやすかったのが印象的です。

 厳寒の屋外とはいえ、会場内では様々なイベントもあり、歌って踊って盛り上がっていました。

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 ここハルビンの氷の祭典は、なんと世界三大雪まつりの一つ。

 関西空港からでも直行便で3時間ほどで行けますし、ぜひ一度訪れてみる価値があると思います。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | 中国旅行記